新聞メディアへの掲載

多彩な製品加工技術 大垣化染 中国生産品と差別化 染研新聞2009年2月18日

製品染めの大垣化染(岐阜県大垣市、野村末廣社長)は、カットソーを中心とした製品加工の技術を拡充している。

反応染めや硫化染め、ボールウオッシュ、ストーンバイオの洗い・バイオ加工、エアブラシ抜染といった各種の染色のほか、パウダーやピリングといった製品二次加工の種類を増やし、アパレルメーカーやセレクトショップなどからの要望に応える。

08年夏までは大型ローラーを使った寝装寝具の染色も受注していたが、中国生産品との差別化が難しくなってきたことから、ラインを廃止し、製品加工一本に絞った。

大量に染める製品とは別に、例えばムラ染めなどは古い窯を改良し1点1点仕上げができる装置も作った。また硫化染料を使ったパウダーブリーチは記事の裏からも染め、独特の風合いを出す。

 
垣根越えて新しい可能性探る 染研新聞2009年1月22日

名古屋市の加工業が熱い・・・・濃尾平野の一角にある名古屋と岐阜の西部に、縫製やプリント、染色、刺繍といった加工業が今もなお、「メードインジャパン」の仕事を請け負っている。ここ十数年続いた海外生産の進展による国内生産の衰退の中で生き残ってきた中小企業だ。創業から2、3代目の後継者は30~50代。「いい時も苦しい時も親の仕事を見てきた」世代だ。そんな若手後継者がライバルや異業種の垣根を超え、「共にモノ作りの最前線にいる同志」としてつながり、新たな可能性を探り始めている。親の世代からの知り合いも多い同エリアの加工業が「これから国内加工業が生きる道」を語った。

下請け加工から提案出来る自立型の加工業へどのようにして転換してきたのですか。

名古路(文孝) 今日サンプルを持ってきました。これと同じTシャツを正月番組で有名タレントが着ていたのを見て「おおっ、やったね」と単純に感激しました。自ら売り込み始めた野口さんに触発され、セレクトショップブランドに飛び込んだところ、協力してくれる加工メーカーとの協業も理解してもらい、注文がまとまりました。油汚れのようなプリントも評価されました。

野口 私は皆さんよりも少し年配ですが、昔からの年老いた職人さんが働く姿を見て「このままではダメだ。若い人が働くような職場にしないと」と量産品から専門店の縫製の仕事に転換し、若い人が就職してくれるようになりました。

柿本 アパレルに務めていましたが、家業が中国にどんどん追いやられているのがわかり、「苦しむ親のために何かできないか」という思いで家業に戻りました。専門ブランドに営業したところ十数社も依頼され、慌てて旧知の工場に助けてもらいました。今でもカットソー主力に、バタバタしながらも幅広い仕事を受けています。

近藤 「赤ちゃんが喜んでくれる服」を作り続け、ファミリアさんとは長くお付き合いしています。最近は専門店との取り組みを広げ、提案力を重視するようになりました。常に若い人を育てて素材と縫製に責任を持つ工場であり続けたいと考えます。

野村 もともと寝装向けプリントを量産してましたが、もう中国に太刀打ちできないと考えて、昨年思い切って反物染めを止め、製品染め一本に絞りました。染めとプリントのあらゆる加工に対応できるように機械も自ら改良しました。

名古路(輝) 約50台のミシンを駆使して、カジュアルのカットソーや、丸茂繊維さんの高級ベビー服までをこなしています。ある時、凄腕のミシンメーカーに出会い、その技術に感動しました。「一流の縫製を目指そう」と決意し、付加価値の高い商品を扱う取引先を開拓しました。丸昇の安藤専務とは6年ほど前からの付き合いでセレクトショップブランドの委託を受ける仲間でもあります。

安藤 当社はハンドプリントがメーンです。逆境に立たされたとき、私も特殊プリントの職人さんを通して、同世代の名古路さんたちとの仕事も増えました。それに加えて、一緒にやったらこんな面白い加工や商品ができるんじゃないかっていう意思疎通ができるようになりました。そこが名古屋や岐阜のエリアがメーカーに期待されることになると考えています。

石塚 帽子や手袋などのニット小物のOEN(相手先ブランドによる生産)が7割と増え、中でも5年かけて設備投資した島精機製作所の無縫製編み機「ホールガーメント」の全種類を揃えました。縫製のコストパフォーマンスは中国が優位ですが、素材使いやシルエット表現の提案力では日本のメーカーは負けていません。以下に特化するかでしょう。

林 デザイナーブランドから特選、インテリアショップまで幅広く刺繍加工に取り組んでいます。縫製機械の基本設計は変化していません。組み合わせを工夫するしかない。だからデザイナーに月に2回新しい企画を提出してもらってアイデアを出し合っています。

・・・・キーワードは「ハード、提案力、協業、人」でしょうか。

安藤 そうですね。「見たことがある」加工じゃもうダメなんです。ただデザインはそんなに変化がなくても加工を工夫することで新しい商品ができる。加工には「魔法の力」がある。だから詳しくは教えられないこともありますよね。

野村 若い人は感性がある分、苦労してやってくれています。バイオ加工しすぎると穴が開くが、それを調整する気配りが日本人にはある。

安藤 薬品のにおいが立ち込める3Kの職場に若い人が増えている。熟練工よりも若い人の方が「仕様書にない感性」を形にして生き生きと働いています。それをいかにわかりやすい形にして相手先に伝えるか。

・・・・重要なのは心。

名古路(輝) 中国人の縫製は正確です。でも日本人的な”義理や人情”を理解してもらえないので、阿吽の呼吸は難しい。日本の20~30代の若い人を増やしたいです。パートさんではクオリティーを教えられないし。

野口 若い人は戦力にはなりにくいけれどもね。長い目で育てたいですね。

近藤 ベテランのようなスピード感は出せないでしょう。それでも若い人の可能性を大事にしたいです。

名古路(輝) 丸茂さんのベビー服を縫製するときはラインがしーんとなります。ゆっくり縫うから。時間はかかるけれど途中のロスを減らせるようになりました。

名古路(文孝) モノ作りは無駄なことが必要なんだと思う。一緒に組むブランドと「楽しく作っていきたい」との思いが形になるんです。

近藤 「孫に着せたいおじいちゃんの気持ち」になって縫うと自然と丁寧な商品になるんです。

柿本 そう。ダーッと縫って服を積んでた若い人が余った生地で自分の好きなように服を作らせたら、すごく丁寧に縫ってしかもキレイに畳んで並べている。そんな意識が縫製に生きると思います。

・・・・「メードインジャパン」が日本のモノ作りを救うのですか。

安藤 自らインディーズブランドを販売している子もいて、仕事が上がったら作業上を使わせています。オリジナリティーを追求する中から海外からのオファーが生まれてくるかもしれません。本当にメードインジャパンが海外で支持されているか知りたいですね。

林 台湾では日本製はすごく人気があります。アジアやヨーロッパではどうでしょうか。

安藤 アパレルが集まった東京ではなく、作るところが川上から川中まで残っている名古屋は、面白いものを作り出す可能性があると思います。

名古路(文孝) 家業が多い加工業だから、なんとか採算は取れている。でも「作ることが本当に好き」だし、本当に好きで作った商品に反応するマーケットがあるから楽しいです。

安藤 若いときに不景気を経験している僕らだから、家業を継ぐ決心をした時点で「何か手を打たなきゃ生き残れない」って発想が生まれたんだと思います。専門ブランドなど、新しいところの取り組みを土台に、加工業者の横のつながりを大事にすることで、名古屋から面白いものを発信できると確信しています。

 
若い後継者が連携 新規事業を開拓 染研新聞2009年1月20日

名古屋市西区と中村区、愛知県西部の海部郡蟹江町と愛西市、また岐阜県にはプリントや縫製、編み立ての加工業やメーカーが集まっている。現在は2代目、3代目に引き継がれ、規模は小さくても家業の技術を活かして新たな技術や販路を開拓している。

プリントの丸昇(愛知県蟹江町)と石塚ニット(同)、縫製の名古路ニット(愛西市)、染色の大垣化染(岐阜県大垣市)、サンカーペ(東京)、は昨年10月のJFWジャパン・クリエーション(JFW-JC)に「ア・シモン」グループで合同出展した。

素材が中心の同展で、製品サンプルを並べた加工テクニックのディスプレーが来場者の目を引き、同展のホームページにも取り上げられ、サンプル製作の引き合いもあった。「異業種も含め、物作りに関わるいろいろな人と交流することを目指し」(安藤明弘丸昇専務)、名古屋・岐阜の加工業の存在をアピールした。メンバーはいずれも30~50代の後継者で、従来の賃加工には飽き足らず、国産ならではのデザイン性やきめ細かいフォローを武器に、有名ブランドへの提案を強めてきた。

それぞれの工場が近く、親の代から付き合いがあったり、アパレルメーカーを通じて知り合ったりの顔なじみだ。同じアパレルメーカーから依頼されることも多いが、「よく知っているからこそ相手先の加工業に確認をとることもあるし、それぞれが得意な技法を駆使して提案することもある」(同)という。

高級子供服メーカーの丸茂繊維(名古屋市中村区)は自社工場で生産するが、仲間に加工を委託することも多い。「丸茂さんの服を縫うと工場が静かになる」という名古路ニットの名古路輝取締役。高級素材をていねいに縫うため、量産品を縫製するような騒がしさはない。効率はおチルが、「縫製以外の時間ロスを無くす工夫が出来るようになった」とも。

若い後継者による技術革新や新規販路開拓を通じて、ライバルでもある同業者や異業種との関係が”系列の下請け”から”共存する仲間”へ変化している。従来は同業者の組合などでしか知り合えなかった加工業者が、メード・イン・ジャパンの高品質な物作りを追求する中で、輪を広げている。昨年末に丸昇・安藤専務と名古路ニット・名古路取締役が交流会を呼びかけたところ、予想をはるかに超えるメンバーが集まり、情報交換や新規事業への意欲の高さをうかがわせた。

「今後も横のつながりを大切にして、情報交流や協業の可能性を追求したい」(丸昇・安藤専務)と意欲を燃やす。

 
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